Monologues of a penis
男性はみんな意味のあるものをぶら下げている
そう、男性はみんな、アレを下半身にぶら下げて、日常生活を営んでいる。女性には下半身にぶら下げているものがない。この違いは大きいと思う。
女性は胸が大きい。男性の胸は小さい。女性のそれは、もしかすると、「ぶら下げて」というより「ぶら下がっているもの」かもしれない。でも胸は、性器ではない。
女性のいわゆるおっぱいは、女性(もしくは母体の)の象徴とみなされてきたけれど、男性性における身体的な象徴は何か? といえば、アレだ。
アレはぶら下がっていて、下着によってそれは囲い込まれているかもしれないが、オシッコをする時に自分でアレを眺め、硬くなった時にも自分でアレを眺めることができる。
女性は、自分のヴァギナを眺めるというよりは、覗き込むといった感じになり、もうそのあたりから男性性の象徴であるアレは、その人にとって死ぬまで付き合わなければならない特殊な要所であり、善き友人であり、健康のバロメーターであったりする。だからそこには、特別な意味を持っているのだ。
露骨な画像がすぐに見えたりしないように、わざと長い前置きを書いている。いやいや、そうではない。
この稿では、男性のペニスについて、率直に個人的な意見や提案を述べてみたいと思っている。だから決して、「いやらしいこと」とは思わないでいただきたい。
当たり前にして、大事なこと――。日本人はあまりアレのことを考えてこなかった。いじるのは好きかもしれないけれど…。
そのいっぽうで、女性にはペニスについてのあらゆる誤解を解いてほしいと思っている。大したことではない。間違った考えを、捨ててほしいのだ。決してペニスはかっこいいものではなく、まただらしなく汚いものでもないということ。
もう「基礎知識編」の最後の更新だから、記念樹としてのこの稿は、アレと長年関わってきた、私自身の“独白録”と称したいのである。
アレの形が変わるってどんなこと?
性教育がほとんど行き届いていなかった1980年代に、小学生時代を経験した私は、友人たちの“噂話”の、「中学生になったらチンコの形が変わる」に半信半疑だった。
というか、それってなんのことかあまりよくわからなかった。
「チンコの形が変わる」って、チンコが勃起してカチカチになること? だったら、中学生にならなくても、ボクのチンコはもう変わってるんじゃないのか? いや、でもそれは「変わる」っていうより、「大きくなったりする」が正しいんじゃないのか? それとも、勃起のことじゃなくて、他になにか、形が変わることがあるのかなあ?
そんなことをぽかんと口を開けて考えていたりした。
でもある日、ちょっと気がついた。
そういえば前に読んだ“性の本”には、形の違うチンコがイラストで載っていたっけ…。ちょっと先っぽが変な形になっているのとか――。
でもそれって、自然にそうなる話なのか? それともなにかすると、そういう形になるのか?
小学6年生だった私は、本当にその“噂話”のいっている意味がわからなかったのだ。
だから、中学3年の冬に、本当に本当に、自分自身のペニスの形が“噂話”のとおり、「変わった」のを体験して、ようやくこのことだったのだと気づいた。あの“噂話”は本当に正しかったのだと。
このエピソードに関しては、「人新世のパンツ論〈花鳥風月編〉⑦パンツとグランスの関係」を読んでいただきたい。
オトナのアレはみんなムケている?
中学生の頃では、たまに、“下の話”が男子のあいだで飛び交っていた。アレの、こんな流言飛語である。
「オトナのチンコは、普段からみんなムケている」
あの頃の男子のあいだでは、それが確信的な“真実”であると、お互いに真に受けていた。
たまに教室内で、ひょろっとパンツを脱ぎ、陰毛の生えたペニスを見せびらかす男子もいた。私はそれを見ても、普段通りの“ボクたちのチンコ”だと思えた。
でもあの時、自分のが「変わった」のを経験してからは、やっぱり先生とかのオトナのチンコは、普段からムケているんだろうなあと思ってしまった。
それはだから高校生になると、焦ってくるのだった。いったいいつになれば、自分のチンコも普段から「ムケている状態」になるのだろうかと。
結局、「普段からみんなムケている」ということばに、引っ掛かったのだった。こんな話が出てくる。俺のチンコは勃てばムケるが、普段からはまだムケていない――。ムケていない人は、まだ一人前の男ではない。だからチンコが、早く普段からムケるようになってほしい――。
まさにその焦りは、男子学生たちのあいだで、暗に共有されたものだった。〈アイツのチンコは、もう普段からムケているんじゃないのか?〉といった疑心暗鬼が心の中を渦巻いていたのである。
友達の彼はムケていた
たまたま私は見たのだった。
修学旅行でのホテルの大浴場で湯船に浸かっている時、目の前で石鹸を体にこすりつけ、ごしごしと洗っている同級生のチンコが目に映った。
彼のチンコは普段からムケていたのである。
〈あ?! こいつは普段からムケてる。もうオトナじゃんか!!!〉
そう思って私は強いショックを受けた。
修学旅行での最大の衝撃はそれだった。その事実を知った時、私は気が狂いそうになったのだ。
数か月後になんとなくわかったのは、彼はクリスチャンだったということ。本人はそれを一度も口にしなかったが、ある時それに気がついて、こう思った。彼はひょっとして、割礼していたのかもしれない…。
「オトナのチンコは、普段からみんなムケている」
このことばが示していることは、あの時代、日本人の男性がみんなそれを信じていたということだった。常識としての言説であったのだ。
ということは、あとで考えてみると、実際的に約7割の男の人たちは、自分のペニスは普段からムケている「ことにしていた」(誤魔化していた)のであり、つまり日本人の多くは、大嘘つきだったのである。
本当のペニスを直視する
“下の話”を突き進めていくと、女性にとって男性のペニスというのは、性欲における鑑賞の対象にはならない。このことは紛れもない事実である。
だから、男性のペニスの“見た目の形”を詳しく知らない人が多い。
まあせいぜい、普段は小さめのサイズのペニスが、性的に興奮すると大きく硬くなって、まるでマツタケのような形になり、男はみんな女性のヴァギナに挿入したがるものだ、くらいの知識しかないであろう。
とはいえ事実、おおむね、その女性側のおぼろげな見識は、そのとおりなのである。
出産して男の子を産み、育て始める過程で、ようやくその小さな可愛らしいものを眺めるようになる。これが将来、ダンナさんのような、あんなおっきなものになるのかなあと、夢現とすることも含めて――。
女性にとって、男性のペニスのリアルな状態なんて、“性の本”などのイラストではよくわからなかったはずだ。
いまではインターネットでいくらでも散見できるかもしれないが、大抵のそれは、勃起したペニス=「大きく硬くなっているもの」ではないだろうか。
とくに“性の本”のイラストで可愛らしく描かれているものを忠実に真に受けていると、みんな男性のペニスは同じ形をしていると思い込んでしまっているかもしれない。実際は千差万別なのだ。
イラストではないホンモノを見る
ここでは思い切って、リアルなペニスを直視することを実践してほしい。
以下の画像は、私自身のペニスを、リアルに撮影したものである。
本当のところ、イラスト風に加工しようか、一部モザイク加工をしようか迷ったけれど、かえっていやらしいものを展示するかのようで、本意とかけ離れてしまう。したがって、直球に写し出したものを以下に提示することにした。
私のペニスが平均的な男性のペニスに近いともいえないし、形も千差万別の一つにすぎない。大きさも含めて。
ただいえることは、オトナのペニスの構造としては、どんな男性のペニスでも同じであるということだ。
統計上、日本人男性の約7割の人のペニスは、普段、グランス(亀頭)が包皮に包まれている。他の国でも、男性のペニスはたいてい、包皮が被さって「グランスが見えていない」状態の人が多い。もちろん被っていても医学的には何ら問題はない。
私自身は普段、露茎(グランスが露出している)なので、包皮を被っているペニスを再現するのに、上の画像のようにある程度指で包皮を押さえておかないと、すぐに剥けてきてしまう。普段から剥けている人は、統計上は少数である。
繰り返していうけれど、男性の通常時のペニスは、包皮に包まれた形の人が多い。
包まれている状態も千差万別で、グランスがわずかに露出し、尿道口が見えているペニスの人もいる。
あー、ワタシのダンナのアレはこれね――と思う人もいるだろう。
どれくらい包皮が被っているかは人それぞれであって、被っているペニスは正常なので安心してほしい。
自分の指で包皮を少しずつ剥いていくと、はっきりとグランスが露出してきて、尿道口(実はここから精液も射出される)やいわゆる“裏スジ”といっている陰茎小帯が見える状態になる。もちろん勃起する時は自然に剥けていくこともある。ちなみに陰茎小帯は、ほとんどの男性にとって“過敏な性感帯”であったりする。
まだ10代の男性で、包皮を剥いたりする頻度(経験)が少ない人は、剥いた時にわずかに痛みを伴うことがある。このことは、男性であれば誰しも経験してきていることであり、とくに異常というわけではない。だんだんとその痛みはなくなってくるのだ。
ただし、包皮が全く剥けなかったり、途中で強い痛みを感じる人は、真性包茎の可能性がある。その場合は、美容クリニック系ではない専門医に診てもらったほうがいいだろう。
性交痛の話
女性には、いわゆる「性交痛」というのがある。
「性交痛」は、ヴァギナにペニスが挿入されると、痛みを感じること。男性も挿入してたちまち腰を振るから、女性のほうは余計に痛くなってしまう。なので、女性からのアドバイスとしては、セックスの時はゆっくりと静かに腰を振ってほしいと思うわけである。そうでなくても痛いのだから。
ところで、男性にも、ヴァギナに挿入した際に痛みを感じる人がいる。それも「性交痛」である。
男性の「性交痛」の原因はいくつかある。
- 摩擦や潤滑不足
- コンドームによるアレルギー
- 亀頭包皮炎などの皮膚炎
- 尿道炎などの性感染症(STI)
摩擦で痛みを感じるのなら、潤滑剤を活用してみると改善するかもしれない。コンドームが原因なら、ノンラテックス製に替えてみる。
ペニスの包皮が引っ張られることで痛みを感じる場合は、このような改善策で大丈夫だが、皮膚炎や性感染症の場合はすぐに医療機関で検査してもらったほうがいい。真性包茎や嵌頓(かんとん)包茎の人も同じ。
セックスは激しいほうが興奮する――などと思っている人は、勘違いが甚だしい。女性はそんなセックスは本来求めていないのだ。パートナーに優しく愛撫され、愛されていることを感じたいだけ。挿入されて絶頂するわけではないのである。
男女とも、なんらかの痛みを感じてしまうセックスは、はっきりいって辛いだけなのでやめたほうが無難だ。各々で話し合い、なにか改善策を講じられれば解決することもある。お互いが心から楽しめるセックスこそが望ましい。
仮性包茎が露茎になるかもしれない施策の提案
日本人の男性のペニスの約7割は、「普段、包皮を被っている」と述べた。みんなはこれを、「仮性包茎」と呼んでいる。
これはあくまで俗語である。皮被りではあるが、医学的には包茎ではない。
しかし、日本人の男性の多くは、「仮性包茎」であることを嫌ってきた。
それは最初の話の通り、「オトナのチンコは、普段からみんなムケている」という流言飛語が、一般常識として浸透していたからだ。
そのようにして、長年、「仮性包茎」をやや真性包茎よりも程度の低い害悪としてとらえ、美容クリニックが「施術で露茎にすることを推し進めてきた」社会的史実がある。
この点において、「オトナの男は露茎であるべき」ことを暗に強要してきた社会は、間違っていた――とはっきりと申し上げておきたい。これによって男性の性的な心理側面は、間違った解釈によって一般生活もしくは性生活に影響を及ぼしてきたからである。
さて、その点を踏まえたうえで、あえて私は「仮性包茎」のままであるよりも、露茎のほうがある面で快適だ――ということを提言したい。
それは見た目の問題ではない。
衛生の問題である。
間違っても「仮性包茎」がダメだ、といっているのではない。ただ、どちらかというと、露茎のほうが衛生面で快適だ――ということから、結論としては、「できうるなら多少訓練して露茎にしてしまったほうがいいかもしれない」ということをいいたいのである。
もちろん、その方法をこのあとで教える。
「皮かぶり日記」の挫折
まず、「仮性包茎」の何が問題としてひっかかってくるか。
実は私は数か月前、ある実験的な試みで、「皮かぶり日記」というのを付けようと思った。試しに3日間、包皮を被した「仮性包茎」の状態にして過ごしてみたら、どんな感じなのかを記録しようと思ったのである。
ところが私、たった1日で音を上げた――。ちょっとこれは我慢できない、イヤだと思った。
何が我慢できなくて、イヤだったのか?
包皮がグランスを覆った状態で歩行していると、なんとなく下腹部のあたりの「モヤっと感」があった。それはある意味、懐かしい感覚だった。
つまり、グランスの先が下着に当たらないので、モヤっとして変なのである。でもそれはまあ、我慢できる異変であった。
それよりもイヤだったのは、小便をする際に、「包皮を剥くのが面倒くさい」ということだ。
トイレでおもむろにパンツを開くと、包皮が少し剥けていて尿道口が見えていたりする。このままの状態でおしっこをすると、尿が包皮の中に染み入って、びちゃびちゃになる。
だから本来は、全部剥いてからおしっこをするのが正しいのだけれど、あくまで実験中だから、包皮が被ったままおしっこをしてみた。するとやっぱり、びちゃびちゃになる。
びちゃびちゃのまま、下着の中にペニスを収めることになった。当然、パンツには残尿のシミができる。これが後々、臭くなるのだ。
お風呂に入る時、包皮を剥いてみた。
やっぱりオシッコの臭いがきつい。
露茎ではこんなことはなかったのに、包皮が被った状態で日常生活を送ると、こんな不快感を味わわなければならないのかと絶句した。さすがに1日目で懲りたのだった。
私は普段、ピュービックヘア(陰毛)を剃ってしまっている「ハイジ男子」である。
もし普通にヘアが生えていたら、包皮の中に毛が入り込んで痛い思いをする、というのも懐かしい経験なのだけれど、そういうことも「仮性包茎」の状態では起こりうる。
とにかくこの「皮かぶり日記」(実際は日記など付けていない!)の実験で、露茎よりも「仮性包茎」のほうがパンツにシミが付きやすく、しかも臭くなり、いろいろと面倒でストレスになる――ということの過去を思い出しつつ、あらためてそれを体感したのだった。
だから、見た目の問題ではない、衛生の問題で、私は露茎のほうがいいことを強く思った。
勃起をうながす会陰マッサージ
ということから、「仮性包茎」を露茎にしよう――という、一つの提案…。
お金をかけない。痛みを伴わない。余計な施術などを講じないで、「仮性包茎」を露茎にすることはできないだろうか。
そもそもなぜ私が露茎なのかというと、結構念入りにペニスを気持ちよくいじっているから――という要因があるように思う。ペニスをマメにいじることで、包皮が戻りにくくなっていると考えていい。では、どうすればよいのか。
私は射精を伴わない、軽いマッサージをよくする。
だいたいの男性は、オナニーというと、もう本当に竿を握って上下に動かして絶頂し、射精するだけ――というプロセスにこだわりすぎて、それ以外の気持ちの良いマッサージをしたことがない人が多いのではないか。
たしかに射精は、最上の気持ちよさを体感できるが、それだけで長年繰り返していても、包皮を被ったペニスはそのままの形を維持しているだけにすぎない。
提案したいのは、射精を伴わない、軽いマッサージ、それも会陰のマッサージである。
さあ、会陰がどこにあるのかも知らなければ、たぶんそんなマッサージをしたこともない人なのではないか。会陰は、肛門から陰嚢の根元部分までを指す。
まず、この会陰の陰嚢の根元部分に近いところを、親指と人差し指で持ち上げるようにして軽く柔らかい手ほどきでつまむ。
決して強くつまんではいけない。
すると、なんとなくペニスが気持ちよく硬く大きくなっていくはずだ。
単純に、会陰に触れているだけでも気持ちがいい。
なぜならこの箇所は、性感帯だからだ。
ここを優しく揉んでいると、ペニスが勃起して硬直していく。この時、包皮は全て剥けてしまってグランスが露出しているはずだ。
会陰を揉むことで、包皮が程よく後退し、グランスが露出する。
これを日頃、繰り返すのだ。
私は朝の勃起時や、就寝時によくマッサージする。
会陰の毎日のマッサージによって、勃起する頻度が増してくることを感じられるはずだ。ついでにグランスのエラの張った部分や尿道口を軽くこするのも効果的。尿道口も性感帯の一つなのだ。
会陰のマッサージで、もう少し快感の解像度を上げたい場合は、会陰の今度は肛門のほう、穴のシワのいちばん上の部分を優しく中指でこすってみよう。
ここは意外と性感帯として鋭い快感が得られるところであり、これもまた勃起を激しく硬直させる方法である。
こうした会陰マッサージを毎日欠かさず、地道に繰り返すことで、包皮があまり戻らなくなり、グランスの露出度が以前よりも増すことになるだろう。射精の頻度が多い人ほど、普段勃起する頻度が減り、退屈さを感じているはずである。
なので、そうではなく、射精を伴わない会陰マッサージの頻度を上げて、射精の頻度を若干少なめにすることで、相対的に普段の勃起する頻度が上がるというわけだ。
勃起する頻度が増せば、剥けている頻度もおのずと増すことになるので、ムケ癖がつき、露茎に近づくのである。とくに10代の人はこのことを覚えておくといい。